0歳の頃は比較的スムーズだった寝かしつけが、1歳を過ぎた頃から急に難しくなる。寝室に行くのを嫌がる、布団に入らない、ママ(パパ)でないと眠れない。昨日できたことが、今日はできない。
こうした変化は、決して珍しいことではありません。1歳前後は、心と体の発達が重なり合うことで、睡眠が一時的に不安定になりやすい時期です。
このページでは、1歳〜イヤイヤ期に多く見られる睡眠のつまずきを想定し、家庭で無理なく調整できるポイントを、優先度順に整理してお伝えします。
目的は、無理に寝かせることではありません。睡眠が乱れたときに、落ち着いて立て直せる「流れ」を作ることです。
※なお、強いいびきが続く、睡眠中に呼吸が止まるように見える、日中の眠気が極端に強いなどの症状がある場合は、睡眠調整より先に医療機関への相談をおすすめします。
1歳から寝かしつけが難しく感じやすくなる理由
心の発達が睡眠に影響しやすい時期
1歳前後は、「自分で決めたい」「大好きな人から離れたくない」という気持ちが強くなる時期です。いわゆるイヤイヤ期や分離不安が現れやすく、睡眠の場面でその気持ちが強く出ることがあります。
「ママじゃないとイヤ」「抱っこしてほしいけど、今はイヤ」こうした一見矛盾した反応は、心が成長している証拠でもあります。
昼寝回数の移行が重なりやすい
1歳〜1歳半頃にかけて、多くの子どもはお昼寝が2回から1回へと移行します。この移行期は、眠気のタイミングがつかみにくく、夕方に疲れすぎたり、逆に寝てしまって夜の寝つきが悪くなったりしやすい時期です。
寝かしつけが荒れているように見えても、発達に伴う一時的な揺れであることも少なくありません。
「やり方が間違っている」わけではありません
睡眠トラブルの起こりやすさには、子どもの気質も関係します。同じように育てていても、睡眠が安定しやすい子と、揺れやすい子がいます。
多くの場合、生活習慣や環境、寝かしつけの基本が整っていれば、発達による一時的な乱れは1〜2週間(長くても数週間)で落ち着いていくことが多いです。
この時期の目標は、「完璧に眠らせること」ではなく、乱れを大きくしすぎないことに置くと、気持ちも対応も安定しやすくなります。
イヤイヤ期のねんねサポートで大切な基本姿勢
「寝かせる」より「寝る流れを整える」
この時期は、「どうやって寝かせるか」よりも、寝るまでの流れが毎日ほぼ同じかどうかが重要です。
一貫したルーティンは、子どもにとって「次に何が起こるかが分かる」安心材料になります。毎日同じ順番で、同じ雰囲気で進むことで、心と体が自然と眠る準備に入ります。
ルーティンは、45分〜1時間程度を目安に、部屋の明かりを落とす、入浴、着替え・スキンケア、絵本などの静かな時間、寝室へ移動といった流れが一例です。
すべてを完璧に行う必要はありません。大切なのは、「同じ意味を持つ流れ」が続いていることです。
泣くこと=失敗ではありません
ねんねの調整中、泣く場面が出ることは珍しくありません。このとき大切なのは、「泣き止ませること」ではなく、安心できる対応を一貫して続けることです。
声かけやトントン、見守りは、「今は安全で、寝る時間で、ひとりで眠る練習をしている」というメッセージを伝えるためのものです。
泣き方や声の大きさには個人差があります。泣いている=心に問題がある、というわけではありません。
保護者が強いストレスを感じる場合は、イヤホンや耳栓などを使い、落ち着いて見守れる環境を作ることも選択肢の一つです。
親の関わり方が結果に影響します
1歳前後は、言葉よりも表情や態度をよく感じ取ります。「大丈夫だよ」と言いながら焦っていると、その緊張は伝わります。
うまくいかないときは、寝かしつけ以外の負担が大きすぎないか、休息が取れているか、日中の関わりに余裕があるかも一度確認してみてください。
夜の数十分よりも、日中の安心感の積み重ねが、夜の分離不安を和らげることも多くあります。
1歳児によくあるつまずきと調整ポイント
布団に入るのを強く拒否する
眠くないのではなく、「遊びたい」「離れたくない」という気持ちが前に出ていることが多いです。
この場合は、寝室に向かう準備を15〜30分早める、興奮が高まる前に環境を切り替えるといった調整が有効なことがあります。
寝室に行くと元気になる
寝室が「遊ぶ場所」や「嫌な場所」になっている可能性があります。
日中に短時間寝室で過ごしたり、お気に入りのぬいぐるみやタオルなど「ねんねのお友達」を導入したりすることで、寝室への抵抗が和らぐことがあります。
ママ(パパ)でないと眠れない
分離不安が強い時期にはよく見られます。
まずは同じ人が同じ流れで寝かしつけることを優先し、余裕が出てきたら、段階的に他の家族が関わる方法を検討してもよいでしょう。
昨日できたことが今日はできない
環境の変化や成長の影響で、一時的に崩れることはよくあります。開始から数日〜10日ほどで、再び泣きが強くなる「ぶり返し」も珍しくありません。
これは、これまでの習慣を手放す過程で起こる反応で、失敗ではなく、想定内の波として扱って問題ありません。
実践しやすい工夫
「選ばせる」関わり
「パジャマは青と赤、どっち?」など、2択で選ばせることで、「自分で決めた」という満足感が生まれます。
一度決めたルールは、途中で変えないことが大切です。
日中の関わりを意識する
夜の対応だけでなく、日中に十分なスキンシップや遊びの時間を確保することで、夜の分離不安が和らぐことがあります。
覚醒時間の目安として、9〜15か月は最大4〜5時間、15か月以降は最大6時間程度を参考に、疲れすぎないよう調整してみてください。
一時中断や緩める選択も「調整」です
体調不良時は、無理に進めず一旦止める、または現状維持で様子を見るのが基本です。
また、「完全にひとりで寝る」ことだけがゴールではありません。添い寝を続ける場合でも、抱っこや授乳を減らし、安心できる形で眠りにつける状態を目指すことも立派な調整です。
専門家・医療機関への相談を検討する目安
以下のような場合は、無理をせず専門家や医療機関に相談してください。
- 生活習慣や環境を整えても改善が見られない
- 強いいびき、無呼吸が疑われる
- 保護者の心身の負担が限界に近い
まとめ
1歳〜イヤイヤ期の睡眠の乱れは、心の成長とセットで起こりやすい現象です。多くの場合、家庭での調整で落ち着いていきます。
大切なのは、完璧を目指さないこと、一貫した流れを保つこと、うまくいかない日も想定内として扱うことです。
眠りは、積み重ねで整っていきます。今できる一手を、無理のない形で続けていきましょう。
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