夜泣きや寝ぐずりで毎晩疲れ果て、「いつになったら家族みんなが眠れるの?」と悩んでいませんか?多くの親御さんがこの問題に直面しています。この記事では、赤ちゃんが自分で寝つく力を身につける「ネントレ(ねんねトレーニング)」のベストな開始タイミングを、月齢や赤ちゃんの性格、家庭環境に合わせて詳しく解説します。正しいタイミングでネントレを始めることで、赤ちゃんの夜泣きや寝ぐずりを改善し、家族全員の睡眠の質を高めることができるのです。
ネントレとは?赤ちゃんの一生を左右する大切な習慣づけ
ネントレは単なる「泣かせトレーニング」ではなく、赤ちゃんに自分で寝つくスキルを教える大切な教育の一環です。
赤ちゃんが自分で寝つける力を身につけることは、独立心や自己調整能力の発達につながります。さらに、2010年に発表された、17の国と地域の29,287人の保護者を対象とした国際的な大規模調査によると、寝かしつけ時に親が常にそばにいる赤ちゃんや、夜中に目覚めるたびに授乳・抱っこで再入眠している赤ちゃんは、夜間の覚醒(いわゆる“夜泣き”)が多くなる傾向にあることが明らかになっています。つまり、手厚すぎる寝かしつけが逆効果になる場合があるのです。
たとえば抱っこで寝かしつけていた7ヶ月の赤ちゃんがいるとします。この赤ちゃんは夜中に睡眠サイクルの変わり目で少し目覚めたとき、「眠くなったら抱っこしてもらう」という習慣が身についているため、毎回泣いて親を呼ぶことになります。2002年にオーストラリアで行われた研究では、生後6~12カ月の赤ちゃんにネントレを行った家庭のうち、2カ月後には70%の赤ちゃんで睡眠トラブルが改善したという結果が出ています。
ネントレは赤ちゃんに「一人で寝つくスキル」を教える大切な教育であり、短期間の取り組みで家族みんなの睡眠の質を大きく向上させることができます。
月齢別・ねんねトレーニングガイド
| 月齢 | 特徴 | トレーニング適性 | 対応方法 |
|---|---|---|---|
| 0~2ヶ月 | ・昼夜の区別がつかない ・1~2時間おきに授乳が必要 ・体内時計が未発達 |
△ 不向き | ・自然に目覚めるのを待つ ・日中は明るく、夜は暗く静かに ・無理にトレーニングしない |
| 3~5ヶ月 | ・昼夜の区別がつき始める ・睡眠パターンがやや安定 ・夜間授乳が2~3回程度 |
○ 状況による | ・少しずつトントンの回数を減らす ・抱っこからお布団へ移すタイミングを工夫 ・眠る前の環境を整える |
| 6~8ヶ月 | ・体内時計が整ってくる ・夜間授乳が1~2回程度 ・自己調整能力が発達 |
◎ 最適 | ・独立型/段階的/見守り型から選択 ・1~2週間かけて徐々に自立を促す ・夜間授乳を残しつつトレーニング可能 |
| 9~12ヶ月 | ・運動能力が発達 ・分離不安が強まる時期 ・夜間授乳が0~1回 |
◎ 最適 | ・分離不安に配慮したアプローチ ・「ねんねのお友達」の導入も検討 ・夜間断乳も視野に |
| 1歳~ | ・言葉の理解が進む ・自己主張が強くなる ・生活リズムが安定 |
○ 向いている | ・絵本やポスターで視覚的に説明 ・ごほうびシールなどの動機づけも有効 ・一貫した対応が特に重要 |
ネントレの基本的な開始時期は生後6ヶ月から
ネントレは基本的に生後6ヶ月以降の赤ちゃんに適しています。
この時期になると、赤ちゃんの体内時計が整い、夜間の授乳回数も自然と減ってきます。また、医学研究でもネントレは主に生後6ヶ月以上の赤ちゃんを対象に行われています。それ以前は生理的に夜間の授乳が必要な場合が多く、寝かしつけにもある程度の親のサポートが必要だからです。
生後0〜2ヶ月の赤ちゃんは、まだ昼夜の区別がつかず、1〜2時間おきに授乳が必要です。生後3〜5ヶ月になると昼夜の区別がつき始めますが、まだ睡眠パターンが安定せず、自己調整能力も発達途上です。一方、生後6ヶ月を過ぎると、多くの赤ちゃんは夜間の授乳が1回程度に減り、自分で寝つく能力を身につける準備が整ってきます。
ネントレは生後6ヶ月以降に始めるのが基本ですが、赤ちゃんの発達状況や家庭環境によって、もう少し早く始めたり、逆に遅らせたりすることも検討しましょう。
赤ちゃんの性格別・ネントレタイミングガイド
赤ちゃんの気質や性格によって、ネントレの開始タイミングや方法を調整する必要があります。
すべての赤ちゃんが同じように睡眠に悩むわけではありません。実際、国際的な研究では、睡眠トラブル(夜泣きや寝つきの悪さなど)を抱える赤ちゃんは全体の約20〜30%程度にのぼると報告されています。つまり、多くの赤ちゃんは自然と眠れるようになっていく一方で、一定数の赤ちゃんは、より丁寧なサポートが必要になることもあるのです。敏感な気質の子や、分離不安が強い子は、ネントレの方法や開始時期を工夫する必要があります。
敏感な気質の赤ちゃんの場合、急に環境を変えると強く反応するため、徐々に変化を加える「段階的アプローチ」メソッドが適しているかもしれません。親と離れていたほうが落ち着きやすい子には「独立型アプローチ」メソッドが効果的です。また、分離不安が強い子は、「見守り型アプローチ」から始めるとスムーズに移行できることがあります。それぞれの方法の詳細は以下の通りです:
- 独立型アプローチ: 最初から部屋を出て、一定時間ごとに声かけする方法
- 段階的アプローチ: 最初はそばに座ってあやし、3日ごとに距離を取る方法
- 見守り型アプローチ: お布団のそばに座り、声かけやトントンで寝かせる方法
赤ちゃんの気質や性格を理解し、それに合ったネントレ方法を選ぶことで、ストレスを最小限に抑えながら睡眠習慣を改善できます。
家庭環境別・ネントレ実施のポイント
家庭の住環境や生活スタイルに合わせたネントレ実施方法を検討することが成功の鍵です。
日本では親子同室で寝るケースが多く、お布団で寝かせる家庭も多いです。また、保育園に通っている場合や、兄弟がいる場合など、家庭環境によってネントレの進め方を調整する必要があります。
- 親子同室の場合: 完全に部屋を出る必要はなく、親が寝たふりをして声かけするだけでもOK
- お布団で寝かせている場合: 赤ちゃんがお布団からはみ出ても戻さず、寝室全体の安全を確保
- 保育園に通っている場合: 週末や連休に合わせてネントレを開始し、保育園の昼寝時間も考慮
- 兄弟がいる場合: 兄弟の就寝時間や生活リズムを考慮し、ネントレ中は別室で寝かせるなどの工夫
どんな家庭環境でもネントレは可能です。住環境や生活スタイルに合わせて無理のない範囲で工夫することで、スムーズにネントレを進めることができます。
ネントレ前に整えておくべき3つの条件
| 準備項目 | 具体的な方法 | 効果・重要性 |
|---|---|---|
| 1. 生活リズムを整える | ・朝6~7時に起こす ・夜19~20時頃に寝かせる ・お昼寝の時間と回数を月齢に合わせる ・毎日同じリズムを心がける |
・体内時計が整う ・睡眠ホルモンが適切に分泌される ・自然な眠気を作りだせる ・朝の日光が体内時計をリセット |
| 2. 寝室環境を整える | ・部屋を暗くする(遮光カーテン等) ・室温を適切に(冬18~20℃、夏25~27℃) ・安全な寝具を選ぶ ・必要に応じてホワイトノイズを利用 |
・深い睡眠を促進 ・快適な温度で眠りやすくなる ・安全に安心して眠れる ・突然の物音で目覚めにくくなる |
| 3. 夜のルーティーンを確立 | ・寝る1時間前から始める ・お風呂→着替え→授乳→絵本→子守唄 ・毎晩同じ流れを繰り返す ・寝室は就寝専用の場所として認識させる |
・「もうすぐ寝る時間」と脳に伝える ・リラックス効果で寝つきやすくなる ・予測可能性で安心感を与える ・条件づけにより自然な眠気を誘発 |
ネントレ開始前に生活リズム、寝室環境、夜のルーティーンを整えておくことで、ネントレの効果が大きく高まり、赤ちゃんの睡眠の質も向上します。
まとめ:あなたの家庭に最適なネントレタイミングを見つけよう
ネントレは基本的に生後6ヶ月以降に始めるのが理想的ですが、それぞれの赤ちゃんの性格や発達状況、家庭環境によって最適な時期や方法は異なります。大切なのは、生活リズムや寝室環境、夜のルーティーンをしっかり整えた上で、赤ちゃんの気質や家庭環境に合ったアプローチを選ぶことです。
「うちの子には合わない」と諦める前に、さまざまな方法を試してみる価値があります。最初の3〜4日は大変かもしれませんが、多くの場合2週間程度で赤ちゃんの睡眠は大きく改善します。その結果、赤ちゃんも親も質の高い睡眠が取れるようになり、家族全体が健康で幸せな毎日を送れるようになるでしょう。
あなたの家庭にぴったりのネントレ方法を見つけて、快適な睡眠習慣を身につけませんか?ぜひ今日から準備を始めてみてください。
参考文献
-
ネントレの短期的効果に関するランダム化比較試験(オーストラリア)
生後6~12カ月の赤ちゃん156人を対象に、ネントレを行ったグループと行わなかったグループを比較した研究。2カ月後の時点で、ネントレを実施した家庭の約70%で夜泣きなどの睡眠トラブルが改善していた。
出典:Hiscock, H., & Wake, M. (2002).
Behavioral sleep interventions in infants: a randomized controlled trial.
Archives of Disease in Childhood, 87(6), 462–467.
PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12456545/ -
乳幼児における睡眠問題の発生率に関するレビュー研究
世界中の研究を対象としたレビューによると、乳児〜幼児の約20〜30%に睡眠トラブル(夜泣き、寝つきの困難など)が見られると報告されている。
出典:Mindell, J. A. et al. (2006). Behavioral treatment of bedtime problems and night wakings in infants and young children. Sleep, 29(10), 1263–1276.
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17068991/
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