ネントレ中に赤ちゃんが激しく泣き出すと、「このままで大丈夫?」「かわいそうなことをしているのでは?」と不安になるのは自然なことです。多くの親御さんがこの葛藤を経験しています。でも、安心してください。適切な理解と対応があれば、赤ちゃんの泣きは成長の一部となり、最終的には親子共に良質な睡眠が手に入ります。この記事では、ネントレ中の泣きへの正しい理解と、親が取るべき対応法を詳しく解説します。
【基礎知識】ネントレ中に赤ちゃんが泣くのはなぜ?
ネントレ=泣かせる育児?よくある誤解
ネントレとは、親のサポートなしに、赤ちゃんに一人で寝つくスキルをつけるためのトレーニングのことです。しかし「泣き叫ぶ赤ちゃんを放置する」というネガティブなイメージを持つ方も多いでしょう。
実際には、ネントレは赤ちゃんが「自分で寝つくスキル」を身につけるための教育的アプローチです。赤ちゃんが嫌がることでも、後々の健康や自立につながるなら、それは「今だけの反発」として見守る価値があります。たとえば、顔を洗うことを嫌がっても、泣いているからと言ってやめないのと同じようなものです。睡眠習慣づけもその一つです。泣きは変化への一時的な反応であり、適切な方法で行えば赤ちゃんの精神発達に悪影響はありません。
2012年にオーストラリアのメルボルン大学から発表された研究では、ネントレをした赤ちゃんと、しなかった赤ちゃんをその後5年間追跡調査しました。結果、子どもの精神面の発達や親子関係に差がなかったことが確認されています。
ネントレは「泣かせる育児」ではなく、赤ちゃんが本当に必要としている「良質な睡眠」を得るための手段なのです。
泣くことは「学び」の一部|赤ちゃんの脳で何が起きている?
赤ちゃんが泣くとき、その脳では実は重要な学習プロセスが進行しています。これまで「抱っこすれば寝る」「授乳すれば寝る」という関連づけから、新しい「自分で寝つく」という方法を学んでいるのです。
赤ちゃんの睡眠は大人に比べて全体的に浅く、夜中に何度も目を覚まします。 そのたびに慣れた方法(抱っこや授乳)が得られないと、赤ちゃんは不満を感じて泣きます。しかし、この「泣く→自分で落ち着く→眠る」のサイクルを経験することで、自力で寝つくスキルを徐々に身につけていくのです。
この学習プロセスは、どんな新しいスキルを身につけるときにも似ています。最初は難しくても、繰り返し経験することで上達していくのです。
泣く=可哀想?その感情との付き合い方
「かわいそう」という感情は、親として自然なものです。しかし、赤ちゃんの泣きに対して過度に敏感になりすぎると、逆効果になることもあります。
赤ちゃんが心から必要としているのは、毎晩の寝かしつけではなく、親の手を借りずに心地よく眠れる力であって、「自分で眠れる安心感」なのです。短期的に嫌がっても、結果的に良質な睡眠が得られるなら、それは赤ちゃんのためになります。
赤ちゃんの「嫌だ」という気持ちはそのまま認めつつも、「そうだね、嫌だよね。でも、自分でねんねする練習をしたら、もっと毎日楽しく過ごせるよ」という気持ちで接することが大切です。親の不安や罪悪感が赤ちゃんに伝わることもあるので、自分自身の感情も整理しておきましょう。
夜泣き・ネントレ中の泣き対応、基本の考え方
「泣いたらどうする?」に迷ったときの判断軸
泣いている理由を見極めることが最初のステップです。主な判断軸は以下の通りです:
- 寝言泣きかどうか – 赤ちゃんが夜泣きを始めると、不安に思う親は多いですが、実は様子を見ているあいだに自然と泣き止み、また眠ってしまうことも多いのです。 まず30秒〜2分ほど様子を見てみましょう。
- 生理的な理由があるか – おむつが汚れている、暑すぎる・寒すぎる、どこか痛がっている、お腹が空いているなどの理由がないか確認します。
- 泣きの強さと持続時間 – 弱い泣きか激しい泣きか、すぐ収まるのか長く続くのかで対応を変えます。
これらを確認したうえで、赤ちゃんの様子に合わせた対応を選びましょう。
泣きのレベル別|見極めと対応のガイドライン(弱・中・強)
弱い泣き(小さなグズリ):
- 特徴:小さな声で断続的に泣く、すぐに自分で落ち着く
- 対応:様子を見守る。介入しなくても大丈夫なことが多い
中程度の泣き:
- 特徴:明らかに不満を示す泣き方だが、激しくはない
- 対応:「ねんねだよ」「大丈夫だよ」など短い言葉で声かけ。必要に応じて胸のあたりをトントンする
強い泣き(激しい泣き):
- 特徴:大声で長時間泣き続ける、なかなか落ち着かない
- 対応:メソッドによって異なるが、基本的には決められた時間間隔で確認し、短い声かけをする。生理的な不快がないか再確認
どのレベルであっても、一貫性のある対応を心がけることが重要です。
対応を途中で変えると赤ちゃんはどう感じる?
ネントレを途中で止めてしまうと、赤ちゃんは逆に長く泣くようになります。お布団の上で寝つけるよう長時間待ったあとに、根負けして抱っこや授乳で寝かしつけてしまうと、赤ちゃんが誤った学習をしてしまう可能性があるのです。
赤ちゃんは「長時間泣けば、最終的に親が来てくれる」と学習してしまい、次からはさらに長時間泣くようになることがあります。一貫性のある対応は、赤ちゃんに混乱を与えないためにも非常に重要です。
【実践編】ネントレ中の泣きへの対応方法(タイプ別)
見守り型|そばにいて安心感を与える方法
この方法では、赤ちゃんのお布団のそばに座り、声かけやトントンで寝かせます。寝ぐずりしたら「ねんねだよ」と声をかけたり、胸のあたりをトントンします。
メリット:
- 赤ちゃんが安心感を得やすい
- 分離不安が強い子に適している
- 親も心理的負担が少ない
デメリット:
- 赤ちゃんが親の存在に依存する可能性
- 完全に自立して寝つくスキルが身につくまで時間がかかる場合も
フェードアウト法|徐々に距離を取る対応
この方法では、最初はお布団のそばで寝かしつけますが、数日ごとに少しずつ距離を取り、最終的には部屋を出るまでステップアップしていきます。
具体的な進め方の例:
- 1〜3日目:お布団のそばで声かけ・トントン
- 4〜6日目:部屋の中央あたりに移動し、声かけのみ
- 7〜9日目:ドア付近に移動
- 10日目以降:部屋の外から見守る
徐々に親の関わりを減らすため、赤ちゃんの抵抗が少なくなる傾向があります。
ファーバー法(段階的チェック)|時間を区切って様子を見る
この方法は、赤ちゃんをお布団に下ろして部屋を出た後、決められた時間間隔で確認し、声かけをする方法です。
例えば初日は、泣き始めたら3分待ち、部屋に入って短く声かけ、すぐに退室。再び泣いたら今度は5分待ち、また声かけ…と、徐々に待ち時間を延ばしていきます。
1日目:3分→5分→10分→10分…
2日目:5分→7分→12分→12分…
3日目:10分→12分→15分→15分…
この方法は効果が現れるのが早い反面、最初の数日は赤ちゃんが強く泣くことがあるため、親の心理的負担が大きいかもしれません。
泣き対応の注意点|やってはいけない5つのこと
- 一貫性を欠く対応 – 今日は抱っこ、明日は放置というように対応を変えると赤ちゃんが混乱します
- 途中で諦めてしまう – 長時間泣いたからといって途中で諦めると、赤ちゃんは「長く泣けば望みが叶う」と学習してしまいます
- 感情的に対応する – イライラや不安が態度に表れると、赤ちゃんも不安になります
- 赤ちゃんを責める言葉かけ – 「どうしてこんなに泣くの」など、赤ちゃんを責めるような言葉は避けましょう
- 睡眠と無関係な刺激を与える – テレビをつけたり、明るい部屋に連れ出すと、体内時計が乱れる原因になります
夜泣きと夜間覚醒の違いを理解しよう
夜泣き=「癖」なのか「生理的な覚醒」なのか?
すべての夜中の泣きが問題というわけではありません。赤ちゃんの夜泣きには大きく分けて二つの種類があります:
- 生理的な理由による泣き – お腹が空いた、おむつが汚れた、体調不良などの理由で泣く場合
- 寝かしつけ習慣に関連した泣き – 抱っこや授乳など特定の方法でしか寝つけない習慣がついてしまい、夜中に目覚めるたびにその方法を求めて泣く場合
ネントレが主に対象とするのは後者です。前者の場合は、原因に対処する必要があります。
夜間断乳との関係性
ネントレは必ずしも夜間断乳をセットにする必要はありません。お腹がすいていない状態での、寝かしつけるためだけの母乳・ミルクを止めればよいのです。
夜間も授乳を続けたい場合は、次のようにするとよいでしょう:
- 授乳のタイミングをあらかじめ決めておく(例:22〜24時)
- その時間を過ぎてから赤ちゃんが泣いたら、まず様子を見て寝言でないか確認
- 飲み終わったら、できるだけ赤ちゃんが寝つく前に乳首を離してお布団に下ろす
泣くタイミングでわかる|「寝言泣き」と「本泣き」の見分け方
赤ちゃんは寝言で泣くことがあります。大人は夢を見ているときに体を動かしませんが、低月齢の赤ちゃんは、体を動かしたり、目を開けたりすることがあります。
寝言泣きの特徴:
- 突然「ぎゃー」と泣いても、そのまま放っておくとすぐに泣き止む
- 目は開いていても、ぼんやりしている
- 泣き方が断続的で、強弱がある
寝言泣きの場合は、30秒〜2分ほど様子を見るだけで自然と収まることが多いです。すぐに反応して抱き上げると、かえって完全に目を覚ましてしまう可能性があります。
【心のケア】親の心が折れそうなときの対処法
「このやり方で合ってるのかな?」と不安になったときに
ネントレ成功のカギは、不安になってもブレずにトレーニングを続けられるかどうかにあります。
不安を感じたら:
- 赤ちゃんが泣いている理由を客観的に考える
- 最終的なゴール(赤ちゃんの良質な睡眠)を思い出す
- 「今は練習中」と考える
- 必要なら一時的に部屋を離れて深呼吸する
「泣かせてごめん」と思ったら読んでほしい話
赤ちゃんが激しく泣いているからといって、必ずしもすごくつらいわけでも、親を責めているわけでもありません。ただ単に、「眠いのに眠れない」という気持ちを表現しているだけです。
ネントレとは、赤ちゃんの眠る力を育てる”練習の時間”であり、親が見守る中で少しずつ自立を促す成長支援です。夜、親子がしっかり眠れることは、日中の関わりの質も高めます。罪悪感を感じるより、「赤ちゃんに良質な睡眠という大切なスキルを教えている」と考えてみてください。
夫婦で支え合う|夜泣き対応の分担と感情共有のすすめ
ネントレ開始に最適なのは「連休前」か「金曜日」です。始めたばかりで赤ちゃんの睡眠が不安定なうちは、ちょっとした環境の変化をきっかけに、夜泣きや寝ぐずりがぶり返してしまうことがあります。
パートナーと協力体制を作りましょう:
- ネントレの方針と手順を事前に共有する
- 夜の対応を交代する(例:パパが前半、ママが後半)
- お互いの感情を共有し、励まし合う
- 日中の育児も分担し、休息時間を確保する
【まとめ】泣きはネントレに欠かせないコミュニケーション
泣き声は、赤ちゃんなりの精いっぱいの自己表現です。ネントレ中の泣きは、赤ちゃんが新しいスキルを学ぶ過程での自然な反応であり、適切な対応によって、自分で寝つけるという大切な能力を身につけていくサインでもあります。
短期的には嫌がるかもしれませんが、ネントレは赤ちゃんのためになります。赤ちゃんが本当に求めているのは、いつもの寝かしつけをしてもらうことではなく、スムーズに寝ついてぐっすり眠ることです。
親としての一貫した温かい対応は、赤ちゃんに安心感を与え、自立した眠りへと導きます。泣きの意味を理解し、適切に対応することで、ネントレは成功へと近づきます。何より、親自身も心に余裕を持ち、この過程を肯定的に捉えることが大切です。良質な睡眠は、赤ちゃんの健やかな成長と、家族全体の幸せな日々につながるのですから。
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